さて、昨日からの続き。
【 怒りの85歳 その2 】です。
前回、オーダーメード補聴器の納品に立ち会ったものの、
" 大きすぎる " " 痛い "との理由で、納品出来ませんでした。
こういった場合、どうするのか?
ずばり、もう一度、耳の型を取り直し、作り直します。※耳の中に接する、補聴器の外側部分だけを。(=シェル
と呼ばれます)このCさんに、今一度、耳の型を取らせて貰うことの、了承を得、再度、アクション。
ここでまた、例のコメント。
「 スポンジに紐が付いているからあかんのちゃうか?」
「 いえ、お言葉ですが、この紐がないと、耳の中に
スポンジがドンドン入ってしまいます。」
「 いや、前の店は紐などなかった。前は出来て、今回は、なんで出来ない?」
最初は本当かな?と半信半疑だったのですが、後から調べると、紐なしで採取されている販売店さんも
存在していたのです。
※後日、その販売店さんに、" 紐がない理由 "をうかがったところ、?紐がないと、紐自身が耳型に巻き込まれ
ず、きれいに取れるとのこと。
※我々は昔からこのやり方なので、慣れてない人は真似しないようにと。
結局、私は再び、紐あり、で採取しました。(苦笑)
メーカーに入社して以来、"紐なしの話"など、聞いたことなかったこと、メーカーの人間がリスクを取れないのが
その理由。 それから2週間後。
当然ながら、2回目の納品にも立ち会います。私が到着すると、すでにCさんは着席。
※約束の30分前からスタンバイされていたようです。後日談で聞いたのですが、
このCさん、待ちきれず、お店のスタッフに『 週刊誌位ないのか? 』と一喝し、買いに走らせたようです。(苦
笑)そのCさんのお耳に、補聴器を入れます・・・緊張の一瞬。どうかな???
『 前よりは良くなった。でも、これでOKは出せへんで。』
『 一回、持って帰ってからや。』
その日は、取りあえず、納品できた事に安堵感はありました。でも、喜びも束の間・・・
数日後にお店に電話がはいり、『 やっぱり、あかんわ 』と。
結局は、この後、新品、再製作含め、合計5回目でようやくOKを貰いました。
1度で納品できるのが当たり前なのですが、オーダーメイド補聴器の場合、入れ歯の噛み合わせと同じように、
装用感、フィット感、こもり、圧迫感なども考慮しないといけない点が、一番難しいです。
※補聴器が初めての方の場合、ある程度、時間的な慣れも要します。
最初は怖かったCさんも、何度かお会いするうちに、心も打ち解け、最後の方には、笑顔も出ていました。
合計5回の製作に、嫌な顔せず、付き合ってくださったCさんには今でも、感謝感謝です。
こういった経験が、私の今の血肉となっております。
関わる全ての人々を、補聴器を通じて、よりハッピーに!
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